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ちょっと指南

指南   南を指す 南に 光あり

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(2)児童観

【学習全般の実態】

 4の1の子どもたちは素直であり、全般的に落ち着いて学習に取り組むことができる。学習上の大きな問題を抱える子は少ないが、細かに見ると数名の子に対しては特別の配慮が必要である。例えば学習用具の準備や提出が確実でない子が3名。学習に集中できない子が5名、自分の考えをなかなか持てない子が3名見られる。この子たちには4月より個別に継続的指導しているが、まだまだ改善の余地は多い。

 また4月当初、6割の子は授業中に発表することを敬遠し、席に座って学習することを好んでいた。「自分の考えを持つこと」はみな大切だと思っていたが、「自分の考えを全体の場に出して、みんなで検討していく」という意識はうすかった。調べてみるとこれは子どもたちの人間関係のもつれに根があり、「目立つと後で何か言われる」という背景があることがわかった。

 これは学級経営上の大きな問題である。特別な手立てを講じなければ、どんな教科でも意欲旺盛な5名ほどの目立つ子が発言を繰り返し、あとの28名はじっと聞き手となる「局地的な授業」が多くなる。これでは全員の思考力や説明力・活動意欲を育てる学習機会が不均等になり、やがて「よく発表する子」と「聞くだけの子」という二極化した学級になる畏れがある。また一日の大半を占める学習時間が「受け身で消極的である子が多い」ということは学級全体の活動意欲や友だちとの関わり意欲を低めてしまう。これでは集団の中で身につけていくスキルの獲得にとっても大きくマイナスとなることは明白である。

 みんなで学んでいるという緊迫感が子どもたちの学習のエネルギーを引き出し、学習効果も高くするという報告がある。つまり学習集団としての挑戦・追究意欲を高めていくことも個人の意欲を高める視点と同様に大切にしなければならない。これはどんなにやる気のある個人も志気の低い集団の中では意欲が持続しないことを思い浮かべるとわかるように、個人の意欲は独立したものではなく、常に集団の中という「背景」との関係で考察していく必要があるということである。

 このように本単元も「学習内容の定着」と実態を踏まえた「学習集団作り」の両面から取り組むというスタンスで指導していきたい。

【国語科学習全般の実態】

 4月から書くことを中心に子どもたちの学習の実態を把握し、小刻みに基礎スキルを身に付ける取り組みを行っている。

 国語科学習の状況を見ると、視写や聴写の技能は比較的高く、4月に行った「3分間の視写スキルアップ」では28名の子が集中して意欲的に取り組むことができた。集中できない4名の子は言葉を塊で見たり、3語以上を句としてみたりする力が足りないと考えられる。目をお手本のほうに何度も向けたり、お手本を見る時間が極端に長かったりするのは、今、見るところを見失っていると考えられる。この子達は漢字の習得にも時間がかかり、また形を誤って覚えることが多く、練習への集中力も低いので特別に工夫した漢字練習シートなどの使用をしていく必要がある。全体に聴写技能は良好であるが、「100文字聴写スキルアップ」では真面目に聞いているにもかかわらず、大事な言葉を聞き落としてしまう子が5名見られる。

 「書く」ことの基礎スキルとして位置づけているマインドマップ(言葉マップ)ではどの子も連想語を2分間で平均8語ほど書き出すことができ、マインドマップを活用した学習への意欲的であると判断できる。この次の段階のキーワードを使った短作文は楽しそうに取り組むが、あるまとまった作文を書くことには抵抗を持つ子が5名見られる。

 漢字の習得率は平均的であると考えられる。4月当初に学習した漢字の習得率が90%以上の子どもが26名で、90%未満の子が7名であった。テスト後、数回個別に指導して補充の練習をしたもののまだ3名は70%程度である。

 音読のスキルも意識も良好で、読ませ方や指導言を工夫すれば熱中して大きな声で楽しそうに読むことができる。個別の音読スキルに関しては、教科書の「三つの願い」をスラスラと澱みなく読むことができる子が25名、度々つっかかる子が8名、大きな声で読めない子が5名いる。

 また授業中の聞く態度は比較的よいが、話し手の方を見て集中して聞かない子が6名ほど見られるので、話をする前に注意を喚起したり、「復唱スキル」を意識させたりして継続指導中である。

 このように「書く・聞く・話す」などの表現にかかわる基礎スキルは比較的良好であると考えられるが個人差が大きく言葉に対する関心にも大きな差が見られる。

「読む」スキルに関しての実態把握は十分ではないが、読書への関心は二極化していると考えられる。読書は朝読書を初めとして、子どもたちは意欲的に本に親しんでいるが、ひとり一人に目を向けると、読んでいる量、質には大きな差が見られる。

 またどの程度読みが深いかを把握することは難しいので今後継続して実態を把握する手立てを工夫していかなければならない。また、毎時間、国語辞典を机の上に置いて、難語句をすぐ調べるようにしているので、ほとんどの子は1分程度で探し出すことができる。

【本単元にかかわる実態】

 本単元にかかわる文章の「読み」に関しては、今までの授業中の様子からおよそこのような状況であると考えている。
①質問に対応する部分を的確に探しだすことができる子29名。(対応)

②句点や読点を意識しないで読んだり書いたりする子が6名。(句読点)

③段落を意識しないで読んだり書いたりする子が12名。(1字下げ)

④文章をざっと読んだあと、話の中心点を把握できない子が8名。(中心点)
⑤全体の構成の初め・中・終わりを意識しない子が数名。(全体構成)
⑥段落が意味のまとまりであると意識していない子が約半数。(意味段落)

 このような実態を踏まえ、子どもたちに以下のような読み方ができるようになってほしいと考えている。
 読み取ったことを書く(視覚化、マップ図、図)、書いて考えたことを友達に見せて話して、自分の読みを吟味する読み方。

  
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