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指南   南を指す 南に 光あり

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5年1組 算数科学習指導案     11月22日(水)5限目
指導者  渡辺 直人
場所   5の1教室

1.単元名  面積の求め方を考えよう

2.目標
・平行四辺形や三角形などの面積を求める時に、既習内容を進んで用いようとする。
   【関心・意欲・態度】
・既習の面積の求め方をもとにして、平行四辺形や三角形などの面積を筋道立てて考える。
【数学的な考え方】
・平行四辺形や三角形などの面積を求めることができる。
【表現・処理】
・平行四辺形や三角形などの面積の求め方を理解する。
【知識・理解】
3.指導にあたって

(1)教材観

【本単元設定の意義】
 子どもたちの生活の中では量の区別は大変曖昧である。それは日常生活においてはほとんどの場合「大きい」「小さい」と言うだけで通用するからである。例えばチョコレート好きの子は目で見て「大きいチョコ」が欲しいと言うし、またドッジボールのコートの広さを比べる時、「相手チームの方が大きい」とお互いに言ってけんかしている。

 この「大きい」というのは実は「○○が大きい」という表現の省略形であるので「何が大きい」のか文脈に沿ってそれぞれがその場その場で解釈していることが多い。
「大きい男」(身長が? 態度が? 体格が? 声が? 心が? 夢が? 足が?)
「大きい箱」(容積が?ふたが?横幅が?テレビより?)
「大きい国」(面積が?広がりが?)
「大きい色紙」(面積が?)など・・・・

 算数科では、子どもたちのこの曖昧な量概念が確実なものになるように系統的に指導することが必要である。学習指導要領によると小学校段階では最終的に「連続量の内包量」(速さや割合等)が理解できるように育てることが目標である。(図1 量の分類)

 本単元の設定の意義は算数的活動を通して子どもたちの量の曖昧なとらえ方をゆさぶり、量の概念と量感覚を向上的に変容させることである。

【面積教材でのつまづき】
 ここで留意しなければならないのは量概念が曖昧な子どもたちは「面積」のところでつまづくことが多いということである。長さの概念がある程度定着した子どもたちも平面図形の「複合した量」と「辺や角の関係」のところで何が何だかわからなくなるのは珍しいことではない。その原因は平面図形においては「長さ(高さ)」と「広さ」と「角」の量が同時に存在するからである。

 この中から必要な要素にだけに注目し、他のことを切り捨てて面積のことだけを考えるのは子どもたちにとっては易しいことではない。

 中でも混乱の最大の原因は「長さ」と「広さ」の違いがわからなくなるということである。面積指導の導入ではまず長方形の求積が扱われるが、この時点で既習の「回りの長さ」(辺)に目が向き過ぎて、「広い」とは回りの長さが大きいことだと誤解してしまう子どもが見られる。この勘違いは根強く残る。

 (図2)面積というものは普遍単位1cm2いくつ分で考えるということ(単位の考え方)をひとまず学習した後、次に公式(一般化の考え方)活用の練習をすることになる。前述の勘違いは公式適用の練習により強化される。なぜならば長方形の面積を求める公式は

たての長さ×横の長さ=長方形の面積

という形を取っているからである。曖昧な理解をしていた子どもたちはここで落とし穴に落ちる。それは長さをかけると面積になる(つまり面積と長さは同じもの)という表面的な理解をして「わかったつもり」になる子がみられる。

 この勘違いは面積の保存性というものまでも曖昧にしてしまう大きなつまずきである。今後必要な等積変形や倍積変形の考え方の根拠は面積の「保存性」であるので、ここが曖昧では「様々な方法で面積を求めよう!」という学習はどうしてそうなるのかが明確でないので混乱が拡散するおそれがある。したがって子どもたちの量の捉え方の揺れを見抜きながら指導していかなければならない。(図3)

【学習の核とたてのつながり】
 本単元は、学習指導要領第5学年の
「量と測定」(1)平面図形の面積の内容を取り扱うものである。



(1)基本的な平面図形の面積が、計算で求められることの理解を深め、面積を求めることが
できるようにする。
ア 三角形及び平行四辺形の面積の求め方を考え、それを用いること。



子どもたちは第4学年の面積に関する学習において、広さを「単位とする正方形のいくつ分」で表す考え方や、cm ・m などの単位を用いて正方形や長方形の面積を求めることを学習してきている。本単元ではこれらの学習をもとに、三角形や平行四辺形等の基本的な図形の求積の公式の意味を考え、それらを使っていく良さをつかむことが学習の核である。


 授業では類推的思考(似ている点をもとにして他の事を推しはかる考え方)を働かせて、平行四辺形などを既習のどの図形にどう帰着させていくか見通しを持ち、筋道を立ててわかりやすく目的の図形に帰着させ、根拠を明確にして公式化していくことが重要である。具体的には思考過程の中で補助線を引いて三角形に分割したり、分割した形を移動、回転させたりする算数的活動を通して数学的な考え方を身に付けていくことを期待している。

 5年生の面積単元の学習の一つ目の核は、どのような図形も既習の「長方形」に帰着させれば面積を求められることをきっちりとつかませることである。そして二つ目は底辺と高さはセットであるという「関係性」を充分理解させることである。


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